膨大な数の本からどのように良い本を探せばよいのか?
はじめて大学の図書館を利用する方やあまり利用したことがない方に向けて、本を探す際のポイントをお伝えします。
今の自分に必要な知識はなにかをよく考える
本を選ぶ前に、まず自分が何を優先して覚えたり、知識を得るのかを明確にする必要があります。
なんとなくでは挫折の原因になったり、思ったより身につかなかったりします。
おそらく多くの大学生がTOEICについて一度は考えると思います、TOEICが卒業要件の大学もありますから。
「TOEICで600点とらないとなぁ」と思ってTOEICの本をみても多分たくさんの蔵書があります。
公式のものから、それ以外のものまで、さらにはリーディングなのかリスニングなのかなどなど。
適当に1冊借りてみるというのも完全に否定はしませんが、まず「自分に何の知識必要なのか?」をよく考えてみましょう。
「TOEIC」だけでは、当てはまる本が多すぎることは先程述べました。なので、絞り込みをするわけです。
TOEIC600点とりたい→リーディングよりもリスニングが悪い→リスニングをまずは基礎から知りたい→発音の練習の本
なのか
TOEIC600点とりたい→リーディングの知識が抜けている→高校範囲から復習したい→高校生向けの本
のような感じで絞り込めば、自分に合う本が見つけやすくなります。
加えて、なんとなくで選んだ一冊よりも、自分で「なにが必要なのか?」と考えて選んだ本のほうが、読んでいく中で「私はこういう目的でこの本を読むのだ」という意識も出てくると思います。
それを考えた上で、次から述べていく本の選び方も意識してみてください。
ベストセラーや重版されている本を見てみる
自分が知りたい知識が決まれば、それを教えてくれそうな本を探すわけですが、同じジャンルの本はたくさんあります。
例えば、経済を知りたい人が「経済」と図書館の蔵書を検索しても何百もの数がありますよね。
そこでポイントとなるのがベストセラーや重版されている本を選ぶことです。
多くの人が買うからベストセラーになり、出版され売れ続けているから改定・改正が入り重版されるからです。
多くの人が見て買っているということは、すなわち
- 理解がしやすい
- 間違った情報が書かれにくい (本質をついている)
- 今の時代の流れにあっている
というような判断基準になりえます。
もちろん、ベストセラーだからといって自分にあうかどうかはわかりません。が、少なくとも、適当に1冊選ぶよりかベストセラーを選んでおくほうがはるかに失敗作の本を選ぶ確率は低くなるでしょう。
迷ったらとりあえずベストセラー・重版の本を狙うとおぼえておいてください。
「はじめに」を読んで見る
意外と見ていない人が多い「はじめに」に当たる部分ですが、ここはよく読んでおいたほうが良いと考えます。
その本で著者が何を伝えたいのか、どういう展開で書くのか、どういう思いや背景で書かれたものかといった一種の”前提知識”のようなものが詰め込まれているからです。
簡単な例をあげますと、大学用の教科書の「はじめに」でよく見られる一文として「この本は高校卒業程度の数学の知識があれば~」などという文がよくあります。
高校卒業レベルの数学の知識を要求しているのは見てわかりますが、裏を返せば高校卒業レベルの数学の知識がない人は読めない、または読みにくいということが考えられます。
それを知らずに読んでしまえば、読み進めるたびによくわからない公式や知識が必要となり、効率が悪くなるか挫折することもあるでしょう。
また、他にも「通常、この学問の専門書は一から結論を導くが、この本では結論を先にかき~」のような文があれば、結論から先に述べるという情報が得られますよね。
自分が結論から述べてもらうほうがわかりやすいという人なら問題ありませんが、もし前提から段階的に結論までを導いてくれたほうが理解がしやすいという人は少し別の本を検討したほうがよいのではないかという判断ができます。
このように、「はじめに」には読み手に対しての注意書きのような面もありますので、必ず読むべきです。
全体をなんとなく見てみる
「はじめに」を読んで、良さそうだなと思う本を見つけられたら、全体をざっとで良いので見てみましょう。
注目する点は図、口調、構成などです。
言い回しや口調が自分に合わなかったり、図などが極端に少なく文字が敷き詰められて読むのが辛いということも考えられるからです。
「マセマシリーズ」の教科書をご覧になったことはあるでしょうか? こちらのシリーズは普通の教科書とは違い、著者が語りかけているような講義風の文体となっています。
自分は講義のような感じで語りかけられている文体がいいのか、それとも、事実を淡々と述べてくれるような文体が良いのかは人によります。
また、絵や図をあえて多く取り入れている本もあります(例:図解雑学シリーズ)。
図や絵があったほうが理解が進み読みやすいという方もいるでしょうから、そういう方は図や絵が入っているのかなどを中身を見て確認しましょう。
なにかの学問の知識をつけようにも様々な教科書の文体やレイアウトがありますから、自分に合うような教科書はどういう条件なのか? というのをいきなり本を選ぶ前に知っておくと良いでしょう。
補足:読書の仕方に不安のある方へ
読書といってもただ字を追っているだけでは、思うように頭に残らないという悩みはありませんか。
というのも私もそうで、ちゃんとした読書法を知るまでは、本を読んでもなんとなく字を追っていて、たまたま頭に残っていたというような感じでした。
「もっと良い読書ができるのでは」と思った私は、読書を始める前の読書として以下のような本を手にとってみました。
読書の技法 誰でも本物の知識が身につく熟読術・速読術「超」入門
「読む力」と「地頭力」がいっきに身につく 東大読書
レバレッジ・リーディング
どれも“読書のための読書”という感じです。
読書に苦手意識のある方はまずこれらの本を借りるか買ってみて、他人の読書法を知ることから始めてみてはいかがでしょうか?
最後に
以上、大学生向けに図書館活用術について紹介しました。
この記事が読者の方の参考になれば幸いです。
ご覧頂きましてありがとうございました。